リカーシブル / 米澤穂信

体を動かす趣味が欲しいと痛感している今日この頃です。
先日ちょっと歩いただけで、しばらく筋肉痛が取れなかったためですorz


米澤穂信の「リカーシブル」を読み終えました。

米澤穂信に滅多にハズレなし。
(個人的に「折れた竜骨」は苦手でした)
古典部シリーズからこの著者に入り、小市民シリーズで私の中で確固たる地位を獲得した著者さんです。

何かしら怖い点がある、そんな作品が多い著者さんです。
そして、本作も怖い。
読み終わった時は怖ッと思ったものです。

この作品はとある田舎に引っ越ししてきた人たちの話です。

田舎という単語を聞くと、私はのどかなイメージを抱きます。
出身が三重のため、実家のイメージなのかもしれません。

ただ、ここに商店街という単語が追加されると、田舎の商店街、寂れた商店街、暗いイメージの田舎が連想されます。
商店街自体は「それ町」とかの影響で良いイメージもあるのですが、田舎のってつくとネガティブなイメージを持ってしまいます。
現実はともかくとして閉鎖的な、卑屈な、そんなイメージを持ってしまうのです。

そして、この田舎は後者に当たります。

読み進めると暗いんです。
主人公の引っ越し理由もあるのかもしれないし、主人公の性格もあるのかもしれないですが、暗いイメージなのです。
もちろん、著者はわざとこのイメージを作っているのですが、あまり気持ちの良いものではないです。

ですが、これはこの著者にとっては毎度のこと。
こういうもんでしょ、という感じで読み進めます。
そして、特にひねりも無く謎に関しては、想像通りの結末に到達します。

ただ、一点、本当に怖いと思う結末が待っていました。
同じ著者の「ボトルネック」に通じるものがあります。
もちろん救いもありますが、個人的には怖ッという感情の方が強かったです。

決して読んでいて楽しい作品ではないです。
この著者さんの作品を読んだことがあるのであれば読んでも良いかと思います。
ただ、読んだことがないのであれば小市民シリーズのがオススメできます。

結論、著者の作品が好きで、読むものがなければどうぞ。
個人的に冒頭の滅多にの方に入ったということです。

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